第2篇(口語訳抜粋) 2:1なにゆえ、もろもろの国びとは騒ぎたち、 もろもろの民はむなしい事をたくらむのか。 2:2地のもろもろの王は立ち構え、 もろもろのつかさはともに、はかり、 主とその油そそがれた者とに逆らって言う、 2:3「われらは彼らのかせ(※1)をこわし、 彼らのきずな(※2)を解き捨てるであろう」と。 2:4天に座する者は笑い、 主は彼らをあざけられるであろう。 2:5そして主は憤りをもって彼らに語り、 激しい怒りをもって彼らを恐れ惑わせて言われる、 2:6「わたしはわが王を聖なる山シオンに立てた」と。 2:7わたしは主の詔(※3)をのべよう。 主はわたしに言われた、「おまえはわたしの子だ。 きょう、わたしはおまえを生んだ。 2:8わたしに求めよ、わたしはもろもろの国を 嗣業(※4)としておまえに与え、 地のはてまでもおまえの所有として与える。 2:9おまえは鉄のつえをもって彼らを打ち破り、 陶工(※5)の作る器物のように彼らを 打ち砕くであろう」と。 2:10それゆえ、もろもろの王よ、賢くあれ、 地のつかさらよ、戒めをうけよ。 2:11恐れをもって主に仕え、おののきをもって 2:12その足に口づけせよ。(※7) さもないと主は怒って、 あなたがたを道で滅ぼされるであろう、 その憤りがすみやか(※6)に燃えるからである。 すべて主に寄り頼む者はさいわいである。
注釈
足かせって言葉をご存知ですか?
首や手や足に奴隷や罪人にはめている、あの道具が「かせ」です。
手錠とかそんなみたいなのですが、昔のはもうちょっと幅がありますよね・・
皆さんが絆(きずな)というと、すごくいい意味を思い浮かべると思うのですが、もともと動物であれ罪人も縛ってつないでおく綱のことを絆と言いました。
そこから転じて家族や友人などの結びつきを、離れがたくつなぎ止めているものといういいものになったようです。
これ、口語訳の本当にいい表現だと思うのですが、今の人はわからないかもしれませんね。中学生で習うらしいんですが・・今もそうなんでしょうか?
天皇の言葉。おっしゃったこと、という意味があります。
王とか神ですよね?そのような方がおっしゃる御言葉ということです。
似たような言葉に「勅令(ちょくれい)」という言葉があります。
これ、他の訳では「ゆずり」とか訳されているのもあるんです。
嗣(し)という漢字自体が、あとをつぐこと。また、その人。あとつぎ。という意味があります。
つまり神様のものを受け継ぐと言った意味があるのですが、
神様が受け継ぐのOKって言ってくれないと成立しないので、聖書では神様が譲ってくれたものといったような観点で書かれています。
なので、聖書では、神様から譲ってもらったもののことを嗣業(しぎょう)と表現していることが多いです。
普通の日本語として以前は使われていたのですが、今の現代人は、なんだ?って感じの言葉でしょうね・・。
陶工、といったりして焼き物を作る方々のことをそう呼びます。
現代でも使われている言葉なんですが、なじみがないですかねえ・・。
焼き物、と呼ばれる食器や花瓶など、何かを入れる器です。
焼き物と呼ぶのは、土をこねて形を作り、火で焼いて陶器というものが出来上がるから。
土や焼き方、色使いや模様などで様々な焼き物がありますヨ・・。
この「土」というのは人間の肉体を意味してることが多いんです。
人間の肉体の成分と土の成分が似ているという話もあったり、
人間は土からできた植物を食べたり、その植物を食べて育った動物を食べるとか、
土と無関係で生きられないと言えます。
土をこねて人間を創ったと言われたりもしていて、それゆえ神様を人間を創る「陶器師」とか「陶工」といった表現が出てきたりします。
人間は土の器のように砕けば割れてしまう、そのように人間の肉体はもろい(弱い)存在、といった場面でも使われたりします。
私たちも神様を信じてなくても「あいつは器のちっちゃい奴だ」と言ったり、「大器晩成」といったことわざなどもあります。
早く、迅速に、と言った意味です。
ちなみに、新改訳聖書を見ると、「すみやかに」のところが怒りが今にも燃えようとしてる、
と訳されていました。間を置かずにすぐに、という意味でそのように訳したようです。
新改訳では単純に「口づけせよ」となっていましたが、足にするのが正しいのかなって思ったんです。
ほら、めっちゃすごい王とかにひれ伏して足元の靴に口をつけるというやつです。
だいたいの意味
どうして 多くの国の人たちは騒がしくして
多くの民は無益なことをたくらむのでしょう
地上の多くの王は権威を振るおうと立ち上がり
多くの人の上に立つ人々は一緒になってたくらんで、
神様と神様が遣わした使命者に逆らって言います。
「私たちは彼らをかせ(手足を縛っている道具)を壊し、
彼らをつなぎとめている縄を解き捨てるだろう」と。
天に座っておられる方は笑い、
主は彼らをあざけるでしょう。
ここで、主は怒って彼らに語ります。
「私は私の王を聖なる山シオンに立てた」と。
主が激しく怒りを燃やしていうので彼らは主を恐れおののくでしょう。
私は主がおっしゃる命令をお伝えします。
主はわたしに言われました、
「おまえはわたしの子だ。
きょう、わたしはおまえを生んだ。
わたしに求めなさい、
わたしは多くの国を
相続させるべきものとしてあなたに与え、
地のはてまでもあなたの所有として与える。
あなたは鉄のつえをもって彼らを打ち破り、
陶器師が作る器のように彼らを
打ち砕くであろう」と。
ですから、多くの王たちよ、賢くあってください。
地の指導者たちよ、戒めをうけてください。
主に対する畏れをもって、主にひざまずいて敬拝してください。
そうでなければ主は怒って、
あなたがたの人生の行く道で滅ぼされるでしょう。
その憤りがすみやかに燃えるからです。
主に寄り頼む人は皆幸せな人です。
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