マリアとヨセフ
マリアの生い立ち
後に聖母と呼ばれるイエス様の母マリアは、父の名をヨアキム、母の名をアンナと言いました。
ヨアキムとアンナは子に恵まれないまま年をとっていました。
子が生まれないことをつらく思ったヨアキムは荒野で断食しながら祈りました。
「どうか私たち夫婦に神様からの授かりものである子を産ませてください。生まれた子は神様のものとして捧げます」
と切実に願い求めました。
このようにして生まれたのがマリアでした。
マリアは約束通り3歳の時、神殿に預けられ、神に仕える身として過ごしていました。
ヨセフとマリアの婚約
ヨアキムとアンナには男の子がおらず、娘のマリアが家を継ぐことになりました。
当時イスラエルの風習で、女性が家を継ぐ時には、父と同じ家系の人と結婚することで家系を保つことが習わしでした。
そこで、14歳になったマリアは父の家系であるユダ族、つまりダビデ王の血を引く独身の男性の中から人を選んで結婚することになりました。
そこに、イエス様の父となるヨセフも呼ばれるようになりました。ヨセフはマリアよりもはるかに年上でしたから、最初「私は年を取りすぎているので・・」と遠慮しようとしましたが、「習わしとなっておりますので」と促されてマリアのいる神殿へと出かけました。
呼ばれた男性たちは手に杖を持ち、神様の御心のある人の杖に花が咲くことになっているとのこと。何とヨセフの手の杖から花が咲いたのです。
こうして、マリアとヨセフは婚約することになりました。
マリアの妊娠
婚約したマリアは、ユダヤの習わしに従い、神殿から父と母の元へと戻り1年を過ごすことになりました。
ある日、部屋で静かに本を読んでいると見知らぬ男の人が立っていました。よく見るとその男の人は羽がついているような服を着ていました。
大天使ガブリエルでした。
ガブリエルはマリアに言いました。
「おめでとう。あなたとともに主がおられます。あなたは身ごもって子を産むでしょう」
マリアは驚いて言いました。
「私は婚約をしておりますが今は男性を知らぬ身ですのに、どうしてそんなことがありえましょう」
するとガブリエルは言いました。
「全能なる神にできないことはありません。聖霊があなたの上に降り注ぎ、あなたに神の子と呼ばれる偉大な方を宿すでしょう」 こうしてマリアは本当に身ごもった兆候が表れるようになりました。
ヨセフに現れた天使
マリアは、ヨセフに正直に身ごもったいきさつを告げました。
通常ならば、一緒に暮らす前に身ごもったのならば、姦淫の罪があるということで世間に公表し離縁するところです。
しかし、ヨセフがこのことを公表してしまうと、マリアは姦淫の罪によりマリアが殺されることを意味していました。
ですからマリアの命を生かそうと、ひそかに離縁できるように、画策していました。
そんな時、マリアの話にも出てきた大天使ガブリエルがヨセフの夢に現れました。
ガブリエルは言いました。
「ヨセフよ、心配しないがよい。あなたの妻となるマリアは聖霊によって身重になったのだ。この子は神の子と呼ばれ人々を救うものだ。だからイエスと名を名付けなさい。」
イエスとは、ヘブライ語で「神は我が救い」を意味する名前です。 ヨセフは信心深い人でしたから、この夢のお告げ通りにマリアを妻として迎えることにしたのです。
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