バビロン捕囚~ダニエルまでの流れ

聖書の人物

南ユダの民が世界史でも有名なバビロン捕囚となった約70年の出来事を聖書の登場人物を中心にまとめてみました。

バビロン捕囚の背景

「バビロン」とは、バビロニア王国のことです。
北イスラエルが捕虜として連れていかれたアッシリア(アッスリア)の南部の一つの州となっていましたが、紀元前625年に反乱を起こし、「ナポポラッサル」という人物がバビロンの初代王となりました。

この王は、無知の中の相克世界で出てくる「ヨシヤ王」と戦ったエジプトの「ネコ王」とカルケミシで戦った人です。
ネコ王が通してくれと言ったのに、ヨシヤ王が通してくれずに戦死し、
それによりエジプト軍も戦力が減退していたところで、
強いバビロンの軍隊にでエジプト軍は撃破されてしまいます。

逃げるが勝ちとばかり逃げかえっていたエジプトの軍隊の残りの人々も、「ナポポラッサル」の息子「ネブカデネザル」王に撃破されてしまいます。
初代バビロンの王である「ナポポラッサル」は、病死し、息子「ネブカデネザル王」が跡を継ぎましたが、ネブカデネザル王により、バビロンの力は強大になりました。

ネブカデネザル王

ネブカデネザル王名前の意味は、「ナブー神よ、私の最初の息子を守りたまえ」です。
国境を守り給え、翻訳されていましたが、のちに翻訳の間違いであると訂正されています。
イスラエル民族が信じていた唯一の神様ではなく、異邦の神をより頼む王でした。
この王が、有名なバビロン捕囚を行います。

聖書にも 列王記下24-25章、歴代下36章、ダニエル書1-4章に登場する王です。

なおこの王様バビロンに多くの美しい建築物や神殿を建築したといわれています。空中庭園も含まれていて、これは古代世界の七不思議の1つとされていたようです。
(いろんなアニメなどにもよく登場するバビロニアといえばこの人と言ってもいいのではないでしょうか)

ちなみに、彼は正式な名称はネブカデネザル2世といって、ほかにも数人のネブカデネザル王がいますが、彼が一番有名です。(聖書にも彼しか出てきません)

ペルシャザル王

前述のネブカデネザル王の3代後がナポニドゥス王といって、長い年月彼がバビロン(新バビロニア王国)最後の王と言われていました。
しかし、聖書では、このペルシャザル王が最後だと記されています。
ペルシャザル王は、ナポニドゥス王の息子にあたりますが、聖書以外に資料が乏しく、長年、存在自体が疑われていましたが、近年の考古学での発見により実在が確認されています。

名前の意味は、「ベル(=古代異邦の神)は王を守る」という意味です。
この王はダニエル書5章に登場します。

宴会中に不思議な文字が書かれて、その読み方も意味も分からない、といった騒ぎとなり、ダニエルが解き明かすシーンが出てきます。
神のさばきのはかりで測られて、目方が不足している、とわかった、という意味だと解き明かされました。
そこで、王位を失おうとしていることをわかり、その夜彼は殺され、ここにバビロンの強大な勢力は終わりを告げたといわれています。

エゼキエル(預言者) 

名前の意味は「神が強くする」です。
祭司の子でしたが、紀元前597年にバビロンに捕虜として囚われの身となるまでエルサレムに住みました。
囚われの身となる前は、エルサレムに残された民に、捕囚後は捕囚されているユダヤ人に
将来エルサレムに帰還できるとの神のメッセージを伝えて希望を与えました。
エゼキエル書を残した人物です。イザヤ、ダニエルと並んで、4大預言者の一人です。

ダニエル(預言者)

名前の意味は、「神は私のさばき手」
エルサレムの貴族の出身。10代でバビロンにとらえられた。賢くて。大臣になる訓練の為宮廷に送られて、バビロンで、その後ペルシャで高い地位についた人物です。(総理大臣=王に次ぐ地位)
ダニエル書には、神の啓示を解き明かしたり、
神様を信じることをやめなかったために獅子の穴に入れられたり、火の中に投げ入れられても、それでも奇跡的に守られた話が出ています。
バビロンの捕囚について嘆いて多くの深い祷りをする中で、未来についての幻を多く見て残しました。
彼の書いた書物ダニエル書は、章の数は少ないですが、後半部分がこういった未来を意味する封じられた預言が多く、旧約の黙示録と呼ぶ人もいます。

バビロン捕囚の後、ペルシャが台頭してきます。
また、古代オリエントでは、大国であるメディア国の王も登場してくるようになります。
地域的に正常不安定な中、さまざまな国の捕虜として、弱い乙女のような立場イスラエル。
その中で最もつらく難しい時を経たバビロン捕囚時代だったといえるでしょう。

次回は、ペルシャ帝国、メディア国といった古代オリエントにも幅を広げていきたいと思います。

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