6月というと、「香り」から「におい」が鼻につく、そんな季節になったように思います。花や新緑の香りから、雨のジメジメとしたにおいに変わるそんな季節、アロマや様々な香りを入れて楽しみたいですね。
香りの王様、乳香(にゅうこう)
世界中、さまざまな香りがありますが、歴史も古く、今なお香りの王様として知られているのが「乳香」です。別名、「フランキンセンス」というらしいです。
↓こちらです。
甘くて高貴な香りがするようです。基本は「お香」として燃やして煙で香りを充満させるようです。乾燥した肌や老化した肌に潤いを与え、せきやのどの痛み、気管支のつらい症状にも効果があるようです。リラックス効果が高いとのこと。
乳香の歴史
古くは、クレオパトラが使っていました。その後、皇帝ネロが自分の権力を示すため、自分が登場する際にはいつもふんだんにこの乳香を焚いていたようです。
ほかには、イエス様誕生の折、黄金、没薬(もつやく)とならんで3人の博士がイエス様に送ったことでも知られています。
その後も、キリスト教、イスラム教問わず、宗教的な行事の時に使われているようです。
その後、中東地域では現代まで使われており、客人をもてなす時に部屋で焚いてもてなす香りとして、衣服に香りを含ませるなどもしているようです。
乳香はどうやってできるのか
平たく言えば、木の皮に適度に傷を入れ、そこから染み出てくる樹液(傷を治そうとして出てくる液)が出てきます。これを2週間ほど放置しておくと、固まってくるので、丁寧に削り取ったもの、これが乳香のようです。
白ければ白いほど価値があるようで、古代は「黄金」と同じぐらい価値がありました。だから、イエス様の贈り物になったんですねえ・・。
この乳香ができる木の種類は、ムクロジ目カンラン科というもので、没薬もムクロジ目カンラン科の木(そのあとの種類がちょっと違う)からできているようです。
近年は、値段が少しずつ暴落しているようで、乳香を取る人も、売る人も使う人も、いろんな変化があると某テレビ局のドキュメンタリーでやっていました。
「もがきなしに傑作品は作れない」
それにしても、傷口を治そうと必死の努力で出来上がったものが香りの王様とは・・。
ダイヤモンドは、とんでもない高温と圧力で出来上がった奇跡の結晶だし、真珠は異物が入って痛くて涙のような分泌物が固まって出来上がります。
痛みを伴いながら美しいものを削り出すものというのは、価値が高いのでしょうか・・。
美しさというものは、涙と痛みと苦しみと、悲しみの果てに、希望と切なる心で削られ、絞り出すようにして出てくるものなのでしょうか。
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