洪水の後、ノアの子、セム、ハム、ヤペテの3人は子供を得るようになりました。
彼らの子や孫が、四方八方住むところを広げていきました。
ハムの孫にあたる「ニムロデ」は、狩りが得意でした。
彼はこの世の中で初めて「権力者」と呼ばれる人になりました。
それで、人々は彼を「主の前に力ある権力者ニムロデ」と言いました。
彼は領土を広げていきました。
最初、シナルというところにあった領土の一つがバベルでした。
石を切り出して何とか積み上げながら作っていた塔でしたが、土をこねて焼くと固いレンガになることがわかりました。
それで、人々は四角いレンガをたくさん作り、積み上げました。
思いのままに家を作り、作物を作り、人々の生活は豊かになりました。
そうしているうち、人々はだんだんと、おごり高ぶるようになりました。
権力を示すかのように、競って、レンガを高く積み上げていました。
そうするうちに、人々の高ぶる気持ちはますます高くなり、だんだんと人々は神様を忘れて、自分たちが王のような気分になってきました。
そうだ、天に上るような塔を築いて我々が一番だということを見せよう。
彼らはどんどんとレンガをこね、自分たちの思いのままに塔を高く積み上げていきました。
神様が下さった地球の自然の法則などを簡単に超えられるかのような錯覚が彼らを襲いました。
バベルが神の知恵に挑戦だ!といいながら「バベルの塔」を建てるようにしていきました。
バベルの塔に参加しない奴は人間ではない、いつしか人々は一つという言葉の中に強制力や独裁のような形での組織をつくるようになっていきました。
神様はこれをご覧になって思いました。
私が作った自然も人間も、一つとして同じものはない。
違う中で神の真理と愛を中心に互いに支えあって一つになり、平和にすることが目的なのに、
これでは独裁ではないか。
だからあなたたちが着る服の一つ一つも異なるように、あなたたちが生きる味もそれぞれだ。
誰かが他人を奴隷にしていきるようなやり方で生きてほしくはない、
自然万物たちも人間により削られ、痛められてうめき声をあげている。
神様は自分らしさを取り戻すように、心に働きかけられました。
人生の目的とは何だろうか?
私はここでずっとレンガを積み上げて、この塔を建ててそれが何になるんだろうか?
あるいは、もっとここは高く、いやここはもう少しゆっくりと広く、など様々な意見を出し合ううち、
塔を作りながらさまざまな意見が出てきてまとまらなくなりました。
そうして人々はいつしか、こんな塔を作るぐらいなら、と違う場所へ住むようになっていきました。
私はあちらの山の鳥がさえずる美しいところに、
私はむこうの海の魚が取れる絶景の場所に、
私はこの豊かな地で野菜や果物をたくさん食べて生きるのだ、
それぞれ思いのままに新天地に向かって旅立っていきました。
分かれて、またそこで殖えて栄え、また長い時が流れていきました。
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