過去を振り返って教訓を得よといいますが、過去のものにはこだわるなと言います。矛盾しているようにも見えるんですが、どちらも新しい希望の明日の為の知恵と教訓だと思います。
古代都市ポンペイ
NHKの特集番組で「ポンペイ」について取り上げていたので見ました。
番組は、
- 2018年に再発掘調査が行われた。
- 再調査の際に出土した人骨や地層から、消滅のシナリオが見えてきた。
消滅のシナリオは、
- 火山の噴火により、噴煙は上空32kmにもなった(!)
- 噴火した火山から石の雨が降り、一夜にして2mほどにも積もった。 (1時間で14㎝降り積もった)
- 朝6時過ぎに、石の雨が殆ど病んできたが、火砕流が発生し、街を完全に飲みつくした。
この時人々は、
- 家の中に避難することを選んだ人たちがかなりいた
- 頑丈な屋根の家は明け方まで大丈夫だった。
- しかし、明け方の火砕流により、飲みつくされて残っていた人は亡くなった
ということでした。後で調べてみると9割の人はすでにローマなどに避難していたようですが、船で助けに行こうとして、火山性の有毒ガスに飲み込まれて亡くなった人もいたようです。
噴火して町が消滅したのがAD79年ですが、20年ほど前のAD62年には大地震で町を再建させるのに難儀していたとあります。ようやく復興しかけたかな?というところで一気に消滅したというわけです。
このAD70年頃は、災害なども多く、世界が様々に動いていた時期だったように思えます。
皇帝ネロの統治がAD54年から68年ですし、 イスラエル聖殿が完全に破壊されてしまったのもAD70年ごろでした。政治的にも気候変動的にも、ローマを中心とした世界は動乱に満ちていた時代だということがわかります。
火山の猛威
火山は、火と石がものすごい勢いで押し寄せてくるし、火山灰は細かくて、火山灰がプロペラに入ると、飛行機は飛べなくなるんだそうです。細かい灰が人体に大きな影響を与えかねないし、火山性の有毒ガスが発生する事だってあります。
地震や火山の災害の歴史も長いし、研究の歴史も長いですが、地震や火山の噴火予知というのは、不可能に近いぐらい難しいのだそうです。1つの火山に1つのホームドクターが必要、というぐらい、それぞれの山の個性が強いのだそうです。
地質、動き、周りの地形や気候など、ものすごく複雑な要素が絡まっているそうです。
とはいえ、この火山が、温泉を生み出したり、美しい自然なども生み出すという、、ほんとうに自然が何かが良くわかるような火山です。
三十六計逃げるに如かず
ポンペイと同じような出来事が聖書にも記録されています。「ソドムとゴモラ」という古代都市。今から約4000年前、アブラハムの時代のことです。
アブラハムの甥(おい)、ロトが住んでいたソドムとゴモラは都会でした。ですが、一夜にして同じく火で焼き尽くされた(おそらく火山の噴火だといわれている)と書かれています。
ソドムとゴモラは、一夜にして滅びるなんて誰も考えていなかったようで、 それで、ロトとその妻、娘二人の4人だけがソドムとゴモラの町を抜け出しました。 ロトの二人の娘には夫がいましたが、彼らも一緒に来ようとしなかったということが読み取れます。
同じく、ノアの箱舟の時も、山の上に箱舟なんかつくって、と散々あざ笑ったようで、そんなバカな、と雨が降ってきても最後までみんな箱舟に乗らなかったようです。ノアの時は、ノアとその妻、3人の息子とそれぞれの妻、合計8人が船に乗りました。箱舟を作り始めてから10年言いましたが、結局誰も信じなかったということになります。
とにかくこうなったら、命だけがあればいい、と考えて「逃げる」以外ないのは昔も今も変わりません。
塩の柱
ロトの妻も、一緒に逃げていましたが、振り返ってはいけないといわれていたのに振り返ってしまい「塩の柱」になったと聖書に書かれています。
塩の柱、と言う英語があるようですが、ここからきています。
なぜロトの妻は後ろを振り返ったのか?という話ですが、「物質のことに未練があって振り返った」、という説教が多いです。だから過去の栄光や物質や、そういった小さなことにこだわって「命」というものに係わることを忘れてしまってはいけないんだと、
そこから転じて、過去の栄光や、何らかの未練がもとで、もっと理想的で新しい世界を受け入れられず、後ろにも前にもすすめない状態を「塩の柱」といったりします。退路を断たれているわけだから、前に進もうというわけです。
もっといいものをくださる神様
神様が、「捨てなさい」とおっしゃるときには、「もっといいもの」の為に捨てなさいとおっしゃる、という御言葉がたくさんあります。
自分という器を空っぽにして、もっといいもので満たしてあげると。
不安、心配、悩み、すべておろして私のところへ来なさい。と。
渦中にいると、信仰があってもなかなか、希望を持って前に進めないように思いますが、「捨てる神あれば拾う神あり」といったことわざだってあります。
もっと新しくて素敵な明日が来ますように!
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