新約聖書は大きく、イエス様が生きておられたときに話された内容や活動を記録している「福音書」、
イエス様の死後、使徒たちの活動を記録した「使徒行伝」、
パウロをはじめ、使徒たちが書いた「手紙」、
使徒ヨハネがパトモス島に閉じ込められて苦しい晩年を送る中で受けた啓示の書「ヨハネの黙示録」に分かれます。
今日は、イエス様が生まれたころから関係の深い何人かの人物にスポットを当てたいと思います。
イエス様
イエス様の「イエス」とは、旧約聖書の「ヨシュア」と同じ意味で「主は我が救い」という意味です。
こちら、「Je」とジーとかヤーと読まず、「イェ」と読むところを、日本語の訳で「イエ」と当ててしまったことからこの名が始まります。
後に、原語の発音に近い発音に戻そうとしましたが、「イエス」が浸透しすぎていたため、この名で定着しています。
マリア(マリヤ)
意味:神に愛される
イエス様の母でヨセフと結婚する前にイエス様を身ごもる(妊娠する)ようになりました。
イエス様を出産後、ヨセフとの間には数人の子供がいたと考えられています。
イエスの母ときょうだいたちが来て外に立ち、人をやってイエスを呼ばせた。
時に、群衆がイエスの周りに座っていた。「御覧なさい。お母様と兄弟姉妹がたが外であなたを捜しておられます」と知らされると、
イエスは、「私の母、私のきょうだいとは誰か」と答え、
周りに座っている人々を見回して言われた。「見なさい。ここに私の母、私のきょうだいがいる。
神の御心を行う人は誰でも、私の兄弟、姉妹、また母なのだ。」
マルコによる福音書 03章 31節~35節
しかし、兄弟たちはイエス様と行動を共にしたことはなく、どちらかというと反対していたと考えるのがよさそうです。
しかし、母マリアは常にイエス様のそばにいたことがわかります。
イエス様が処刑されたときにも十字架の下に立っていたと言われています。
さて、イエスの十字架のそばには、イエスの母と、母の姉妹と、クロパの妻マリヤと、マグダラのマリヤとが、たたずんでいた。
ヨハネによる福音書/ 19章 25節
ほかの福音書にはしっかりと書かれていないのですが、確かにイエス様の母がいたとここに書かれていることや、その後のカトリック教会がマリヤ像をつくったことも、マリヤがイエス様の死後、イエス様について語り伝え歩いたからだという説が有力なようです。
ヨセフ
意味:(神が)加えてくださるように
ヨセフは大工だったといわれていますが、ナザレにほど近い場所で当時ヘロデ大王が宮を建設しており、そのことに関わっていたという説があります。大工といっても、現在のような大工とは少し違ったといった説もあります。
いずれにしても、父ヨセフの記述は12歳頃までしかなく、イエス様が宣教される頃には生きていなかったと考えられます。
先ほどのマルコによる福音書の中でも、父の記述が出ていないことなどが根拠です。
バプテスマのヨハネ
意味:主は恵み深い
バプテスマとは、「洗礼」という意味なので、ヨハネという意味が「恵み深い」という意味になるようです。
彼はイエス様とは姻戚関係(いとこ)にあたり、荒野に住んでいました。
預言者エリヤと似ていて、らくだの毛で作った着物を着て、腰の皮の帯を締めていた。
ヨハネはイエス様の前に民を集めて「悔い改めよ」とのメッセージを伝えました。
そうして、イエス様に洗礼を授け、その時啓示を受けていた通りにイエス様がメシアであることを本人以外には初めて知るようになった人物です。
ところが、その後、イエス様とは離れて、自分の集まりをそのまま維持し、
「イエスは栄え、私は衰える」などと発言したりしています。
その後、当時の王ヘロデ・アンティパス(アンテパス)の結婚問題に口出ししたことに端を発し、投獄の後、首をはねられて死ぬようになります。
イエス様にとって彼は姻戚関係でもあり、キリストとしての使命を果たす上でもとても重要な意味を持つ人物といってもいい人物です。
エリサベツ
意味:神は私の誓い
バプテスマのヨハネの母。
彼女の親類がマリヤです。
イエス様の母マリヤが彼女を訪れたとき、「あなたは女の中の祝福された方。あなたの胎の実も祝福されています」という言葉を発したことで有名です。
ユダヤの王ヘロデの世に、アビヤの組の祭司で名をザカリヤという者がいた。その妻はアロン家の娘のひとりで、名をエリサベツといった。
ルカによる福音書/ 01章 05節
彼女はモーセの兄アロンの子孫ということで、つまり大祭司の家系ということになります。
アロンの家系=ダビデの家系ということになりますから、彼女はダビデの家系となり、親類であるマリヤもダビデの家系になります。
つまり、イエス様は母側からたどっても父側からたどってもダビデの子孫ということに間違いないということになります。
ヨハネがかなり年を取ってから生まれた一人っこだったことは聖書の記述上想像できますが、その後、聖書にはめぼしい記述はないようです。
ザカリヤ
意味:主は覚えている
バプテスマのヨハネの父。
敬虔な老祭祀。彼が祭壇で香をたく番となり、一人で祭壇を築いていた時、子供を授かると天使に言われます。
しかし、彼の妻ザカリヤは高齢でずっと子供もいないし、とこの知らせを信じないでいると口がきけなくなります。
筆談で、天使に言われた通り、名を「ヨハネ」と名付けました。
子供ヨハネが生まれるまで口がきけないでいました。
ザカリヤの死にはいろんな説があるようですが、ヨハネが大人になり、為政者たちと対立したことに関連して、為政者たちに殺されたという説が有力です。
ヘロデ
意味:勇ましい
父ヘロデ大王は、紀元前37年~紀元前4年まで生きた人物。
その後、息子のヘロデ・アンテパスが後継者となります。
ヘロデヤ
意味:勇ましい
元は、ヘロデ・ピリポという人と結婚していたが、夫の兄弟 ヘロデ・アンテパスと結婚。
そのことでパプテスマのヨハネに避難される。
サロメ
意味:平和
ヘロデヤの娘
ヘロデ・ヘロデヤ・サロメについては 詳しくはこちらとこちらの記事にまとめています。ご参考までに♪
アウグスト
ユリウス・カエサルの姪(めい)の子で後継者であったオクタビアヌス(オクタウィアヌス)は、アウグストの称号を得ました。
これが、8月=オーガストの由来なんですよ!
このアウグストが命じた住民登録によって、ヨセフとマリヤはイエス誕生の間際にナザレからベツレヘムへ行くことになったわけです。
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