2020年は4月5日が棕櫚(しゅろ)の主日、4月12日がイースターとなります。
棕櫚の主日とは?
イースターは、復活祭と呼ばれる、キリスト教ではクリスマスに並んで大きな行事です。 イースターは、イエス様が十字架にかけられて亡くなられた後、墓からよみがえった(=復活した)ことを記念した行事ですが、 この一週間前が棕櫚(しゅろ)の主日、といわれています。
英語では(Palm Sunday:パームサンデー)といいます。
由来
上記のように、イエス様が復活される7日前、エルサレムに入られるとき、ろばにまたがってエルサレムに入っていかれましたが、この時人々は棕櫚(しゅろ)の葉をもってイエス様をお迎えしたから、ということに由来しています。
その翌日、祭にきていた大ぜいの群衆は、イエスがエルサレムにこられると聞いて、しゅろの枝を手にとり、迎えに出て行った。そして叫んだ、「ホサナ、主の御名によってきたる者に祝福あれ、イスラエルの王に」。イエスは、ろばの子を見つけて、その上に乗られた。それは 「シオンの娘よ、恐れるな。見よ、あなたの王がろばの子に乗っておいでになる」と書いてあるとおりであった。
(口語訳聖書 ヨハネ 12:12-15)
「枝」の主日とも
「枝の主日」とか「聖枝祭」と呼んだりもします。
というのは、ほかの福音書ではエルサレムに入城したときのことを
そこで、弟子たちは、そのろばの子をイエスのところに引いてきて、自分たちの上着をそれに投げかけると、イエスはその上にお乗りになった。すると多くの人々は自分たちの上着を道に敷き、また他の人々は葉のついた枝を野原から切ってきて敷いた。
(口語訳聖書 マルコ 11:7-8)
ということで、明確に「しゅろ」とは書いていないためです。
棕櫚(しゅろ)ではなく、ナツメヤシ
実はこのヨハネによる福音書、新共同訳以降では「なつめやし」と翻訳されています。
なつめやしの枝を持って迎えに出た。そして、叫び続けた。/「ホサナ。/主の名によって来られる方に、祝福があるようにイスラエルの王に。」
ヨハネによる福音書/ 12章 13節(聖書協会共同訳)
※ホサナとは、神を賛美します、称えますという意味。
翻訳の変更経緯はWikipediaで「シュロ」を調べると出てきました。
シュロは日本の温帯地域で古来より親しまれた唯一のヤシ科植物であったため、明治以降、海外の著作に見られる本来はシュロとは異なるヤシ科植物を、「シュロ」と翻訳していることが、しばしば認められる。特にキリスト教圏で聖書に多く記述されるナツメヤシがシュロと翻訳されることが多かった。
Wikipdia
同じくヤシ科で似ているのですけれどね^^
なので、日本では、「おっ、ここにヤシの木!」と思っても実は「シュロの木」ってことが多いんです。
ハワイのヤシの木、などをイメージして下されば、一番イメージが近いのかと思います。ナツメヤシの実はデーツという名前で最近スーパーフードとして注目を集めていたりもしますが、イスラエルや中東地域で随分と長い歴史をもった食べ物でもあります。 ちなみに、漢方薬でよく使われている「なつめ」は、全然違う植物です。(クロウメモドキ科の植物で姿も全く別)。
どんなイベントをする?
何の木の枝か、というのはご当地でいろいろな様子ですが、4世紀以降,この棕櫚(しゅろ)の主日に行列が行われるようになり参加者たちはシュロやオリーブなどの緑の枝を手に持つといったイベントが現在も続いています。
なぜナツメヤシの葉を道に敷いた?
調べてみたら出てきました!
実はイスラエルでは、この〝しゅろ”は、旧約聖書の創世記にでてくる「いのちの木」をあらわす植物なのです。「園の中央には、いのちの木、それから善悪の知識の木を生えさせた。一つの川が、その園を潤すため、エデンから出ており、そこから分かれて、四つの源となっていた」(創世記2・10)
月間いのちのことば つい人に話したくなる 聖書考古学 第5回 天国に「ヤシの木」!?
しゅろの木は、エデンの園にある「いのちの木」であり、同時に〝神の祝福”のシンボルでもありました。つまり人々は、この「いのちの木」の葉を敷くことで、イエス・キリストを救世主と信じ、新しい〝いのちのシンボル”として、入城を喜んだのです。
今年は、感染症対策で、行列することはできなさそうですが・・イエス様が歩んでいかれた十字架の道を考える週にしたいなと思います。
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