いなご

聖書の知識

今コロナウィルスと同じぐらい、蝗害(こうがい)というバッタ(または いなご)の大発生の問題が注目されています。

イナゴとバッタ

旧訳聖書より出てくる「ばった」
新協会共同訳では「ばった」と訳されていますが、口語訳では「いなご」と訳されていました。

イナゴとは、中国語(漢)から来ていて、
日本人にとってほとんど実体験のない「蝗(こう)」が漢籍により日本に紹介されたときに、
誤解により「いなご」の和訓が与えられ、またウンカやいもち病による稲の大害に対しても「蝗害」の語が当てられたわけです。

イナゴはバッタの一種ではありますが、聖書で出てくる「バッタ」はイナゴではないというのが通説のようです。
イナゴとバッタの見分けは、喉仏があるかどうかで見分けるのが一般的なのだそうです。

バッタは恐ろしい

但し日本では地理的条件や気象の条件などで大量発生する被害が歴史的に少ない為、あまり実感がないかもしれませんが、世界の歴史上は、古来より、大量発生すると甚大な被害をもたらす恐ろしい生き物でした。

普段は単独でいるのですが大量発生した場合、一瞬にして農作物を食べつくす恐ろしい被害をもたらします。
地域規模ですべての食料を食い尽くしてしまうわけです。
今とは違って冷蔵庫などもなければ天気を予測する技術だって今より発展してないわけですから、これが民衆に与える被害は甚大なもので、餓死者が大量発生するのはもちろん、人肉を食うといった事態も多発したと言われています。国家や地方政権に与える影響も当然大きく、それまで続いていた戦争が勝敗・優劣に関係なく停止したり、時に民衆暴動が起こり王朝が崩壊する場合もあったほどだとか。

大量に発生する仕組み

彼らが大量発生する仕組みは、「大量の雨」とその後の「干ばつ」。
雨で大量に卵を産み、その後餌がなくなるので移動するために、群れとなり、より遠くへ飛ぶんだそう。
1日に100キロとも、150キロとも言われています。
東京のど真ん中から、富士山まで1日で行けるっていうわけです。

大量発生の仕組みはこちらのページが参考になります。

こんなに文化文明が発達した今でも、バッタの害を防ぎきれていない人類、
人間を最も多く殺す「蚊」、、

柔らかくて静かなものが最も怖い、

ということを感じて深く考え込んでしまいます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました