ゲッセマネ
ゲッセマネは、イエス様が最後に祈られた場所として有名です。
実は、ゲッセマネはオリブ山という山の中腹にあります。
オリーブの木が植えられた庭園風の場所だったためゲッセマネの園(その)とも呼ばれています。
ちなみに、ゲッセマネという名前はアラム語で「オリーブの油搾り」、または「オリーブの酒舟」を意味します。
オリブ山
それから彼らは、オリブという山を下ってエルサレムに帰った。この山はエルサレムに近く、安息日に許されている距離のところにある。
使徒行伝/ 01章 12節
オリブ山はエルサレムから近い場所に会ったことがよくわかります。安息日に歩ける距離は限られていましたから、かなり近い場所にあったといっていいでしょう
イエスは出て、いつものようにオリブ山に行かれると、弟子たちも従って行った。
ルカによる福音書/ 22章 39節
イエス様はエルサレム方面に来た時には、オリブ山をよく使っていらっしゃったことがわかります。
イスラエルとオリーブ
オリブと口語訳には書かれていますが、現代語でいうのなら、「オリーブ」です。オリーブオイルで有名なオリーブです。
オリンピックなどのスポーツの大会などで勝者に与えられる冠。実はオリーブで作られた冠が多いです。
古代ギリシャの英雄ヘラクレスが庭に植えたオリーブの枝をオリンピックの勝者に与えたことが由来と言われています。(聖書とは関係ないですが)
このオリーブ、実は、イスラエルをはじめとした中東地域が原産地です。
ほかの木があまり生息しない海辺に生える木です。近年は日本でも香川県小豆島などでオリーブ栽培がされています。
丈夫な木なので、聖殿の柱としても使われてきました。
オリーブオイルは、食用に限らず、医療用などでも使われていました。
今でも、オリーブの実をピザなどにのせて食べたりしますが、実ばかりではなく、葉っぱはお茶にもできます。
さまざまな用途があり、特に中東地域では親しみのある木です。
イスラエルでは古くは、ノアの時代、洪水にあって箱舟に乗っているノアが放った鳩が水が引いた印として持ってきたのがオリーブの枝でしたから、約束と祝福を象徴しているといわれています。
血汗症
読み方が「けっかんしょう」なのか「ちあせしょう」なのかわかりませんが、血が汗のように出てくる病気です。
イエスは苦しみもだえて、ますます切に祈られた。そして、その汗が血のしたたりのように地に落ちた。
ルカによる福音書/ 22章 44節
慣れ親しんだオリブ山を後にして、十字架の道を行くことになりました。
その前に必死で祈ったとき、汗が血のしずくのように滴り落ちたとあります。
これは、「血汗症」といって、皮膚から血液が滲み出る非常に稀な疾患なのですが、血汗症は死の危機などの極度のストレスによって引き起こされることがあることがわかっています
いくつかの歴史上の記述の中ではレオナルド・ダ・ヴィンチによるものが有名であり、戦闘前の兵士や突然の死刑宣告を受けた人々における血汗症の出現が記載されています。(Wikipedia)
イエス様の極度な緊張状態が伝わってきます。
ところが、 弟子たちはウトウト眠っていて、同じ深刻な心持で祈れずに、という状況になります。イエス様が彼らに「心は熱しているが肉体が弱いのだ」とおっしゃいました。この時に「できるならこの杯を取り除いてください。しかし御心のままになさってください」とイエス様が祈った祈りの意味は、いろんな解釈がありますが、本当の心情はメシアでもない限りわかりえないだろうなと思います。また、後になってこの日のことを思い出したペテロたち弟子は、いろんなことを考えただろうなと思います。
ここオリブ山から、イエス様は囚われの身となり、十字架の道を歩いていくことになるのです。
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