イエス様物語(18) ~重たい石~

聖書の人物

死の知らせを聞いて

バプテスマのヨハネが死んだと知らせを聞いたイエスは雷に打たれたようなショックを受けました。
幼いころから知っている兄を失ったのです。

イエスは一人静かな場所へいきました。こぼれる涙もなく、ただ呆然と天を見上げるばかりです。
神様の御心を果たすべき巨星のような人だったのに・・
まるで回転軸を失った星のようにゆれてやせ細って、最後には身も心も揺らぐ葦のようになって、逝ってしまった。

同時に、ヘロデが首を盆の上にのせて喜んでいた、と聞いた。
ヘロデ王は神様の御心をも恐れないのだな、と苦々しい気持ちになりました。

人々は富と名誉を得るために様々な欲にまみれて神様の御心から遠くなっている。
だからヨハネを送って神様が「悔い改めよ」といったはずなのに・・
その大地が割れんばかりのあの声を出して神様の道を平にする人はもういない。

祈りを求める人々

うなだれて静かに膝をついて祈っていると、ざわざわと声がします。
そっと目を開けると静かに人々が近寄ってきました。

「あなたは長い間ここで深く祈りをささげておられましたね。
 あなたのような信仰の素晴らしい方をはじめてみました。何を悟ったのか教えてください」

というのです。

イエスは「いえ、何も。ただとりとめもなく祈っていたのです」と答えました。

しかし、そこには病人たちも多く押し寄せていました。
「祈りの人よ、神の人よ、私の病を治してください」
「主よ、私にわずかばかりの憐れみを」

それでイエスは静かに手を置いて祈りました。
すると、「治った」と口々に言いました。

イエスは言いました。
「神様が私の手を通してあなたを憐れんでくださいました。神様に感謝して生きてください。」

重たい石

そういって、静かにその場所を離れていきました。
心の中で思いました。

民は病と飢えに苦しみ、
王や宗教的な指導者たちも皆、その日生きていくことに精一杯だ。
名誉と富を得るために、人の心を売り払っている。
外側は白い羊のようなのに、心の中は違うのだな・・。

私の心はどこへ枕していったらいいのか・・・
考えれば考えるほど心は重くなりました。私は重たい石を心の中に抱えているようだ・
私は神様にいただいた使命を全うできるだろうか。

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